決断回数を減らし低リスクに資産運用をする方法【ドルコスト平均法】
こんにちは、iNo(@ino_ism)です。
「投資はしたいけど、リスクを負いたくない」
「減るかもしれない投資は怖いから、やっぱり貯金が安心」
投資をやってみたいけど怖くて一歩踏み出せない、そんな人は多いのではないでしょうか。
世間的にはまだ、「投資はギャンブル」というイメージが強く根付いているように感じます。
その根底には「損をしたくない」「元手を減らしたくない」という考えがあります。
それは私も同じですし、その気持ちは抱えていなければいけないものだと思います。
しかし投資の中にも比較的低リスクな運用方法は存在します。しかも物凄く簡単に実践できます。
その方法が「ドルコスト平均法」です。
私も基本的にはこの考え方を基本として投資を行っています。
ということで、今回は「ドルコスト平均法」について解説を行っていきます。
ドル・コスト平均法とは
ドル・コスト平均法(英: dollar cost averaging)とは、株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つ。定額購入法ともいう。金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。例えば「予定資金を12分割して、月末ごとに資金の1/12を投入し、一年かけて全量を買う」という手法。
ウィキペディアより
簡単に言うと「株や投資信託を、一気に買わずに毎月、毎日など定額で購入する」方法です。
ドルコスト平均法の特徴は「低リスクで資産運用ができる」ことです。
また積立を始めてしまえば自己の判断をほとんど介在させないため、決断回数が極めて少なくて済むというメリットがあります。
年に一回くらい状況を確認して必要に応じてリバランス(調整)は行った方がいいですが、個別株取引や為替取引に比べると、必要な手間は桁違いに少ないです。
では、なぜドルコスト平均法が低リスクなのか、ご説明します。
基本的な市場の値動き
市場の推移として参考に、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』のチャートをご覧ください。
このファンドは日本を除く主要先進国の株式に投資する商品です。
超ざっくり言うと、世界経済全体の値動きとなります。(eMAXIS Slim 全世界株式をはじめ、他の全世界株式ファンドも似たような値動きをしています)
これを見ると、統計的には世界経済は上昇下降を繰り返しつつ成長していることがわかります。
ではこの投資信託を購入するタイミングは、いつがベストなのでしょうか。
理想論を言うと、下降して一番安くなったタイミングでの購入がベストです。
しかし、これから上昇するのか下降するのか完璧に予知することは不可能ですし、確信のない予想を元に投資するのはギャンブルだと私は考えています。
一切の予想を必要とせず、いつ購入をはじめても良い。市場を予想するというリスクを負わない方法がドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法の優位性
まずドルコスト平均法により定額で投資信託を積み立てるということは、購入数が変動するということになります。
【例】毎月10 000円積み立てる場合
・1口あたり1 000円→10 000/1 000=10口購入…安い時は多く購入
・1口あたり1 250円→10 000/1 250=8口購入 …高い時は少なく購入
以上のように、単価が安いときは多く、単価が高いときは少なく購入できます。
これが口数固定ではなく金額固定で積み立てるドルコスト平均法のメリットです。
以上を踏まえ、実際のファンドでの例をご紹介します。
先程ご紹介した『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』をドルコスト平均法で積み立てるとどうなるか計算しました。
2014年から積み立てていた場合、現在の基準価額約23600円に対して平均取得額は約13200円となります。
また実際の購入金額と評価額を見ると以下のようになります。
約310万で積み立てたものが約530万円もの評価額となり、70%もの利益が生じる計算となりました。
コロナショック後はちょっと基準価額が上がりすぎている感もありますが、全期間を見ても右肩上がりであることがうかがえます。
評価額が低くなっている時期もありますが、ドルコスト平均法によりその時期に多く購入しているため、基準価額が上がっている現在は大きな利益となっています。
以上のとおり、今までの統計では定額で積み立てることで利益が出るような結果となります。
理論上は平均購入価格より株価が低いタイミングでスポット買いをすれば更に利益が出たということになりますが、あくまで結果論です。
大暴落以外の日常の相場で、スポット買いが有効なタイミングを掴むのは極めて困難です。
(きちんと勉強、予測して利益を出しているトレーダーも沢山おり、そのような方々を否定するわけではありません)
通常は購入時より株価が上がることを祈って相場をチェックしますが、ドルコスト平均法での積立運用では、株価が下がったときこそチャンスになります。
下がれば下がるほど購入株数も増えるので、将来市場が回復した時に大きな利益となります。
またドルコスト平均法では、購入をはじめるタイミングはいつでもOKだと私は考えています。
今より安くなるタイミングは今後訪れないかもしれませんし、積立開始のタイミングを見計らっていては一生投資をはじめることができず機会損失となるためです。
以上の考えに則り、私は基本的に投資信託はスポットで資金を入れずにドルコスト平均法での積立運用のみとしています。
流石にコロナショックの時は過去の購入額に比べて大きく基準価額が落ちていたためスポット買いしましたが、それくらいですね。
ドル・コスト平均法のリスク
ドルコスト平均法は比較的リスクが低い投資手法ですが、それでも投資である以上はノーリスクとはいきません。
価格下落のリスク
前項で「株価は上下しながら成長していく」と述べました。
しかしこれはあくまで過去の統計であり、全ての投資商品が成長し続けるわけではありません。
例えば倒産に向かっている会社であれば株価がドンドン下落していき、上昇はしないかもしれません。
大きな事件により世界経済が大打撃を受けた場合、しばらくの間下がり続けるかもしれません。
このように価格がドンドン下落していく商品に対しては、ドルコスト平均法は効果を発揮しません。
対策としては、購入する金融商品を分散することです。
値動きが異なる複数商品に分散することで、どれか1つが下落したとしても、他の上昇でカバーすることが可能です。
投資信託であれば最初から全世界、日本、米国などの、複数の株式に分散されているので、個別株に比べるとリスクは低いでしょう。
売却タイミングのリスク
いくら平均取得額が低く押さえられても、売却時に基準価額が平均取得額より低いタイミングで売ってしまうと損失となります。
例えば、売却しようと思ったタイミングで暴落していた場合、平均取得額以上に回復するまで売却を先延ばしにする必要があります。
そのまま定額で積み立て続ければ回復するとしても、急にお金が必要になった場合は損失を確定して売却しなければいけません。
対策としては、資産運用には余剰資金を回すことをオススメします。
突然の出費にも対応できるよう、ある程度の預金を確保した上で投資をしましょう。
また老後やFIRE後の取り崩し時にも同様のリスクが想定されます。
それに対しては、高配当株、ETF、CFD、FX自動取引等のキャッシュフローを得られるものをポートフォリオに組み込むことである程度対策が可能だと考えています。
投資信託の取り崩しを最小限にすることが可能ですし、しばらくは他資産のキャッシュフロー+副業で凌ぎ、市場が回復したタイミングで売却するという対応も可能でしょう。
あとがき
低リスクで資産運用を行える「ドルコスト平均法」は資産運用初心者にもピッタリです。
自動積立で日常の決断は不要。長期的な利益を目指す手法であるため、毎日株価をチェックする必要もありません。
上がっても下がっても淡々と同額を購入していくだけです。
今後は、私が実際に「ドルコスト平均法」で運用している投資信託の実績についても、今後発信していきたいと思います。
投資初心者の方は、まずはネット証券でドルコスト平均法を実践してみてはいかがでしょうか。